君には、絶対に…

「やっぱりさ、マフラー…手編みって重いよね。失敗…。」

「じゃあさ、これから探しに行く?」

雪乃ちゃんが気乗りしないなら、雪乃ちゃんが渡したいと思う物を渡せば良いと思った。

自分で納得出来る物を渡した方が良いと思うし、雪乃ちゃんのためにならないと思うから。

だから、これから探しに行ってみるだけ探しに行ってみた方が良いと思ったんだ。

「え?学校は?学校はサボるの?」

「あ、うん、そうだけど…。」

雪乃ちゃんの困惑している表情を見て、俺はすごく焦ってきて、冷や汗が出てきていた…。

デートがしたいとか思ったりはするけど、今回はデートに誘ったつもりでもなくて、全くそういうことを考えていなかった…。

でも、女の子からしたら、理由はどうあれ、一緒に学校サボって街を歩くんだから、デートなんだと思った…。

自分で自分を追い込んだ形だけど、この窮地をどう脱しようか焦って考えていた。