君には、絶対に…

「ごめん…。」

少し大きなため息をついてから、将人がようやく口を開いた。自分の飲み物だけを見つめながら、将人は話を続ける。

「実はさ…未来と付き合うことになったんだ。」

「は…?」

将人の言葉は、さっき以上に、この場の空気を凍らせた…。

何となくこんな予感はしていた…。

将人が未来先輩を横に座らせた瞬間から、こんなことになっているのだという予感はしていた…。

ただ、本当にそうだったのかと思うと、俺も言葉が出てこない…。

「大会が終わってから、俺から未来に告白したんだ。それで、付き合ってもらえることになったんだ。」

睦の表情は、動揺していることが手に取るように分かる表情をしていた。

誰だって、こんな予想はしていなかった。

まして、11月の大会が終わってから、未来先輩に告白するつもりだった睦にとって、これほどの衝撃はないだろう…。

でも、思い出してみれば、予兆はあった。

決勝戦が始まる直前、将人の言っていた言葉だ。