あんまり詳しくは聞いてこない。 面倒なのか気を使っているのか分からないけど 玲のそういうところが好き。 あっ。 同性愛とかじゃないから。 「ねぇ、そんなことより」 「え?なに?」 「あれ……」 そう言って玲が指差した先にあるのは…… 「……え」 あたしの机に誰か座ってる。 顔を伏せてるから誰か分かんない。 「あれってさ…… 中等部の制服だよね」 「そだね……」 中等部……。 あたし……中等部に知り合いなんか…………。 あたしはハッとして自分の席まで走る。