「う、そ……」
あたしは驚き目を見開いたまま
玲に聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
そう、きっと嘘。
嘘に決まっている。
そう言って、あたしのことを油断させようとしてるんだ。
「嘘じゃない!
悠雅と同じぐらい好きだった!
友達として……親友として……」
玲は感情を押し殺しているのか
自分の手をギュッと握り、下唇を噛んで微かに震えている。
どうして?
どうして、そんな嘘つくの?
「だって……玲はあたしにひどいことした」
あたしは今まで思っていたことをポツリ、ポツリと話し出す。
真っ直ぐに涙ぐむ玲の瞳を見つめて。
「悠雅のことも傷つけた。
そんなことした玲に………
今更、大好きなんて言われても信じられないよ………」
あたしは瞬きせずに玲をジッと見つめる。
玲はそんなあたしから視線を外して
強く手を握ったまま下を向いた。
「今更……信じてほしいなんて…
思わない……」
玲の声は震えたいて、その言葉はさっきよりもとても聞き取りにくくなっていた。
「はじめは美夜と悠雅が幸せになればって思ってた。
でも、チャンスだって思ったときから…
あたしは悠雅に振り向いてもらうために必死だったの。
だって好きなんだもん、好きだったんだもん、悠雅のことが。
でも、悠雅はあたしなんかの事を見てくれなくて………
ずっと美夜の事を見て、美夜のことを思ってた。
あたしは、悠雅にこんなに好きって思われてる美夜が羨ましくて、妬ましくて。
美夜がいなくなってしまえばいいって……
ずっと考えてた」

