女好き彼氏



なか……なおり?


あたしと玲が……?


そんなの出来るわけない。

幼稚園児の喧嘩ってレベルじゃないんだから。


それにあたしたちは
喧嘩なんてしてない。


玲が勝手に………



あたしはそう考えたときに
前、てるちゃんが言っていた言葉を思い出す。


『好きな人の彼女に好きだなんて言えるはずない』


そ、うだ。


そういえば、てるちゃんがそう言ってた。

玲はずっと、ずっと悠雅のことが大好きだったんだ。


でもあたしと悠雅が付き合って
あたしに悠雅のことが好きって言えなかったんだ。


勝手に玲があたしのこといじめたんじゃないんだとしたら………


あたしは………





あたしは携帯をぐっと握りしめて
海哉君に返信する。


[玲と会って
 仲直りができるでしょうか?]


震える親指で返信ボタンを押す。


そしてすぐに海哉君から返事は返ってくる。



[出来る]


その一言しかメールには記されていなかった。


でもたった一言で
さっきまで暗く沈んでいた気持ちがじわじわと上に上にと、明るくなっていくのが自分でわかる。



あたし……


玲に会ってこなくちゃ。


会って…
ちゃんと話さなくちゃいけない。


あたしは持っていた携帯をグッと握り締めて
飛び出すように家から出る。