俺は目をギュッと瞑ると思いきって美夜の方を見た。



「引っ掛かった」



美夜はそう言って真っ赤な俺に笑顔を見せてきた。



もしかして


いや、もしかしなくても


俺………



「騙された?」



俺が呟くと美夜は真っ赤な顔で可愛らしくコクりと頷いた。



あぁ、そうか



あの悲しそうな、苦しそうな声は
俺を騙すためだったんだ。



美夜は知ってたんだ。



俺の顔が真っ赤だってこと……。



だからワザとあんな声を出して俯いている俺の顔を上げさせたんだ。



真っ赤になっている俺の顔がどうしても見たかったからなのか
いつも意地悪している俺をいじめたかったからなのかはわからないけど


いたずらっ子みたいな真似をして
恥ずかしそうに自分の膝を抱え込みながら
にこにこしている美夜はホントにホントに


愛らしくて……………


どれだけ、俺を虜にさせたら気がするんだろう



なんて………変なことを考えてしまう。