あたしは悠雅に引っ張られながら教室に連れてこられた。



教室には誰もいない。


多分、体育か何かでみんな教室から出て行ってるんだと思う。


そんなことを考えてたらいきなり悠雅に両肩を掴まれた。



「ななな、なに」



悠雅に触られるのが久しぶりすぎて声が変になる。



悠雅はあたしの肩におでこをのせて小さなため息をはいた。



あたしの頬に悠雅のフワフラの髪があたってくすぐったい。



その髪から香る、甘いシャンプーの香りにあたしの混乱していた心がどんどん落ち着いていくのを感じた。



教室に飾られている時計の針が動く音を聞きながら悠雅が何かを話してくれるのをジッと待った。



「…………なぁ」



そして一分ぐらいたったとき、小さく弱々しい声で話し出た悠雅。