「そんな手で美夜を触らないでください」



あたしが黙ってツバメ様に頭を撫でられるのが嫌だったのか、
悠雅がツバメ様の手を払いのけ、あたしを自分の方に引っ張った。



突然のことで頭が真っ白になる。



「おいおい……そんな手でって……ひどいなぁ」



ツバメ様は真っ黒な笑顔を悠雅に向けながら、払いのけられた手をもう一つの出で優しく撫でてそう言った。



「あんたが出てかねぇなら俺達が出ていくよ……」



小さい声で呟くと悠雅が何がなんだか分からないあたしの腕を掴み早足で保健室を出て行った。