自分がどれだけ
星野くんのことを好きだと
自覚した。



星野くん……

好き、好き…好きだよぉ………


胸が痛い。

誰かがあたしの胸を
ギュッと握りつぶそうとしてる。



星野くん…星野くん……



あたしは心の中で何度も何度も
星野くんの名前を呼ぶ。


好きだと、大好きだと……


何度も何度も…

心の中で繰り返す。



そんなあたしを見かねてなのか
光太がまた大きなため息をついて
立ち止まった。



そしてあたしに背を向けたままこういった。



「俺は姉ちゃんのことちゃんと好きだから…
 家族として」


そのときの光太の耳が
真っ赤になっているのがわかった。



「え、光……」



あたしが光太の名前を呼ぼうとしたら
また強く手首を引かれる。



光太………

ありがとう。



あたしはいつしか涙も消えて
さっきよりも心の痛みが消えた気がして…


あたしはりんごジュースを持っていなかった手の方で光太の手をギュッと握り

早足で歩く光太の隣に立って


『ありがとう』って


言うつもりだった。


けど………