どうしたんだろ……



あたしがてるちゃんに話しかけようとしたら、てるちゃんが口を開いた。



「も…もうすぐでチャイムなるから光太君は帰った方がいいんじゃない?」



顔を真っ青にさせながら光太にそう言ったてるちゃん。


光太は高校生に上がってから
何故か、この教室に来てくれる。

聞いてみれば
あたしが心配なんだとか……。


でもまぁ、今はそんなことより
体調の悪そうなてるちゃんが心配だよ。


「あ……そうだな」



時計をチラッと見てからそう呟いた光太はゆっくりと教室から出ていった。



「じゃあ、俺も」



「あ、うん。またね」



光太が出ていってすぐ、悠雅が教室にかかっている時計を見ながらそう言ってあたしの髪をぐしゃぐしゃっと撫でて教室から出ていく。



あたしは悠雅の後ろ姿に手を振って自分の席についた。



そして、あたしの前に玲が座る。



「やっぱり、悠雅君はカッコいいね」



ニッコリとあたしに微笑みを見せる玲。



そんな玲にあたしは少し違和感を感じてしまった。