「はぁ……」



「何回ため息ついてんだ?」


あたしの後ろから誰かが話しかけてきた。


あたしは声がした方をゆっくりと見る。



「あれ?なんで光太がいるの?」



それも高校の制服着てるし。


「なんでって……今日から高校生だし」



光太は少し照れたようにしながらあたしを見ている。


そんな顔したら


お姉ちゃん抱きつきたくなっちゃいますよ?



「光太」



あたしは光太に手招きした。



「ん?」



首を傾げてあたしを見る子犬みたいな光太。



「しゃがんで」



近くにきた光太にそう言った。



光太は少し不機嫌な顔になりながらもあたしの言うことを聞く。



そして


あたしの目線までしゃがんだ光太のフワフラした髪を撫でる。