「あれ?名前で呼んでくれないの?」


さっきまではあんなに悠雅、悠雅って言ってくれたのに、もう星野君に戻ってる。


俺はとりあえず、目線を美夜の高さに合わせて話しかける。


すると美夜はぽかんっとした表情で可愛らしく首を傾げてきた。


「え……でも…名前で呼んだら迷惑かなって……」


そう言いながら美夜は俺から視線をそらした。


迷惑?

なんで?


「俺は美夜に名前で呼んでほしいな?」


って、まるで子供をあやすみたいに美夜の頭を優しくなでる。


「ほ、ほんとに?」


美夜がちらりと俺の方を見てから
またどこかに目をそらした。


「ほんとだよ……だって俺はずっと前から美夜のことだけが大好きなんだ」


俺がそう言うと大きい目をもっと大きく見開いて俺の方を見る美夜。


あぁ、俺……………


やっと美夜に心から思ったこと言えた。