「聖斗にどこ触られたの?」 鋭く光る黒い瞳。 「え?」 星野くんに聞こえるか聞こえないかの小さい声で呟いた。 何言ってるの? もしかして知ってるの? あたしが聖斗に抱かれたってこと……。 その時あたしは 怖くなった。 星野くんが知ってたことが 星野くんに嫌われることが 星野くんに見られることが 怖くて仕方なかった。 震えるあたしの長い髪を撫でるように優しく触れる星野くん。 「この髪も触れられたの?」 優しく撫でていたあたしの髪の先をグッと握り潰すみたいに掴んできた。