海哉*サイド



いきなり親友である悠雅から
泣き出しそうな声で電話がかかってきた。


今からお前のところにいってもいいか?


震える声で親友にそんなこと言われたら
普通来るななんて言えないだろ?


俺はもちろん、来てもいいと言った。


そうしたら
30分ぐらいで俺の家に来て
俺しかいないのにでっかい声で
叫びながら俺の家にずかずか入ってきた。


そのときは
電話のときのあの泣き出しそうな声は
気のせいだったのかと
ちょっと拍子抜けした。


けど、


悠雅が話してきたのは

とても辛いことだった。


だってさ
恋人が………いや、好きな子が
自分の弟に抱かれてるんだぜ?


そんなの

苦しくないやつなんて
この世にいないだろ?