外に出てすぐに海哉に電話して
海哉の家に言ってもいいか聞く。

そしたら、いいよって海哉は言ってくれた。


いつも冷たい海哉がなんとなくいつもより
優しいような気がした。


そして俺は、自分の家から
30分以上もかかる海哉の家に走った。






「で?何?」



海哉の家にたどり着き
お邪魔します叫びながら家に入ると
家には海哉以外誰もいないみたいで
しんっと静まり返っていた。


そして俺は慣れているように二階にある海哉の部屋に勢いよく入ると、ベッドに寝ながら雑誌を見ている海哉が話し掛けてきた。



「美夜が……聖斗に…抱かれてた」


走ってここまで来た俺は息が上がって
途切れ途切れにそう言った。



「………それで?」


海哉は寝転びながら俺の方を見ずに
雑誌を見ながら冷たく言う。



「苦しくなった」


俺は苦しい自分の胸をぎゅっと抑える。

走ってきたからなのか
心臓がばくばく音をたててうるさい。



「だから逃げてきたの?」



海哉はその言葉を言ったとき
持っていた雑誌から目線を外し俺の方をジッと見つめてきた。


そんな海哉にどきりとしながらも俺は
海哉の冷たい言葉になにも言わずにコクリと頷く。



そう………

俺は逃げてきた。


美夜はもう俺の彼女じゃないって
思いたくなくて…

今まで感じたことのない怖さがあって……





今までの付き合ってきた女が誰に抱かれてようと
どうでもよかった。



でも美夜が
他の誰のものになるのはイヤなんだ。





俺だけのモノにしたい。

俺だけのモノに……




ずっと抱き締めていたいんだ………。