“バカバカしい。逃げただけのくせに。” …なんて、前の俺ならそう言って笑うかもしれない。 でも、今はそんな事は思わない。 綾を見てたら、痛いほど分かるから…どれだけ傷ついてたのか。 きっと、綾みたいな人は世の中にも沢山いて…傷ついてるんだ。 それでも、頑張ってきた綾は…素直に偉いと思った。 こんな小さい体んなかに、いろんなもん押し込んで来て。 くるしかったよな…ずっと。 俺の胸で泣く綾が、愛しくて。 これからは俺が傍で守る。 ……そう、決めた。