スキの魔法




――気付けば、もうお昼…。





大稀君に連れられて、あたし達3人は空き教室に。





開いた窓から風が入って来る。でも、陽が入って来なくて、ひんやりして気持ちいい。





大稀君が窓の傍で足を止めた。侑志は机に寄りかかってダルそうにしてる。あたしは扉の目の前で、緊張してる。





…何か、イヤな雰囲気…。





きっと、それは侑志のせい…。





そんな事を思っていると、大稀君があたしの方を見た。





「綾華チャン、今日大変そうだねぇ」





「えっ!?あ―…はい?」





そう曖昧に答えると、侑志に睨まれた。





「侑志~、怒んなって!!」





「…別に」






侑志は何に怒ってるの?