そのチラシの一番目立つ文字を読む。 「第23回…全国美術コンクール…?」 「そう!これに私の作品、展示されるの」 「へぇ─…全国ってすごくない?」 「だから、見に行こ!神崎君も一緒に♪」 「えっ…恭平も?」 杏理はあからさまに嫌がる私をきっと見た。 そして、身を乗り出して言った。 「初純の気持ちがちゃんと分かるチャンスじゃん!」 「気持ち…?」 「うん。そのもやもやも消えるかもよ!」