「初純っ…ちょっと待てよっ!」 全速力で走っても、恭平は後ろからまだ追いかけてくる。 ぜぇ…はぁ……っ 「ちょっと待てって!!」 パシッ… ついに捕まれた手首から、じんわりと体が熱くなる。 「…なんで逃げるんだよ」 恭平は息を切らしながら私の目を見て言った。 「頼むから…、頼むから逃げんな…っ」