赤組のテントだけではなく、学校全体がざわめいた。







初純の体はぴくりとも動かない。







その時、隣から大きな声がした。









「…初純…っ…!!」










恭平は赤組のテントから勢いよく飛び出したかと思うと、まっすぐに初純の元へと全力疾走していった。






そして、勢いそのままに初純を抱き上げた。








「きゃ―っ、お姫様だっこだ!」

「恭平君だよっ!?」

「いいなぁ…初純ちゃん」







後ろからは女子の悲鳴にも似た黄色い声がする。








恭平…モテるからな…。