俺はあの頃の初純に戻ってほしいと、心のどこかで思っていたのかもしれない。 だから、結果的に初純を傷つけてしまった。 俺はあの頃も今も、最低だ。 ───…… ガチャッ 「わりぃ…恭平、遅くなった」 「おぅ」 部室を出て、恭平と駐輪場に向かう。 自転車の鍵を外した時、恭平が突然俺に話しかけた。 「一登、なんかあったのか?」