けれど… 俺の気持ちを押し通していいのだろうか… 初純の幸せを願うことが、一番じゃないのか…。 …─そう思った。 「はぁ…はぁ…っ」 バスケをしていても、勉強していても、初純のことばかり考えてしまう…。 「恭平」 「…一登」 「宮下のこと、聞いたか?」 「え…?」 「イタリアに絵の勉強をしに留学するんだ」 …─留学?!