俺は勢いよく谷野を突き放した。 「………」 「……、先輩、」 「谷野」 谷野の体がビクンッと震えた。 それは俺のとてつもなく低い声のせいだ。 「谷野の気持ちには答えられない」 「……っ…」 「…ごめん」 「初純先輩ですか…?」 谷野は目に涙をためながら俺に強く言った。 「…あぁ」 俺がそういうと、谷野はきゅっと唇を結び、走り去った。 …─っ…