イ…タリア……?




「もう…初純と離れたくないんだ…、」




陽ちゃんはゆっくりたどたどしく話す。





「わがままだってことはわかってる

けれど…嫌…なんだ」





「…………」






「初純を…誰のものでもない、

俺のものにしたいんだ」






「…っ……」








陽ちゃんは私から手を離した。








「俺が出発する日は…明後日。それまでに返事が…ほしい」




「………」








「一緒にイタリアに住むのは後にしても…


この前の、返事、聞かせて?」









そう言って、陽ちゃんは私の目の前からいなくなった。









…ド──ン…ッ…









1人残された私がいる公園は、花火の音が虚しく響くだけだった。