「初純…」 陽ちゃんがしばらくして、口を開いた。 「話…あるんだ」 そう言って、陽ちゃんは私と少し距離をとった。 陽ちゃんは私を真剣なまなざしで見る。 「初純…」 「俺、また留学するんだ」 「…へ?」 留学…? 「それで…、」 陽ちゃんは少しためらうと、こう言った。 「初純に…一緒に来てほしい… …イタリアに」