「んじゃぁ、また後でね!」

「あっ…うん」


杏理は私に手を振り、そそくさといなくなってしまった。






…─陽ちゃん、来てるんだ。






『初純が好き』発言以外は、中学の頃となんらかわらなくて、優しい陽ちゃん。





けれど、中学の頃と今では……。





「おい、そこに突っ立ってると危ね─ぞ」






くしゃくしゃと無造作に頭を撫でる手に私の心臓はせわしく動き出す。







「恭平……」