「そうじゃないの…一登のせいじゃない…」 「え…?」 一登は頭を撫でる手を止めて、私の顔をじっと見た。 「わかんない…」 「…なにが?」 「陽ちゃんのこと…、好きだったの…、大好きだったの…っ」 「うん…」 「けど…、今の話を聞いても…一緒にいても…ドキドキしない…、」 「…え」 「どうして…? …どうしてっ?!」 あんなにも陽ちゃんを待っていたのに… 目を閉じて浮かぶのは、いつからか恭平だった。 私が泣き崩れると、一登は子供をあやすように背中をさすってくれた。