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「杏理、お願いだから陽ちゃんのことは何も言わないで!」


「えっ…なんで?」



きょとんとした顔の杏理。



「陽ちゃんのことは、なんとも思ってないの!」



「宮下君のことはね〜…」


「うん!」


「『宮下君のことは』ってことは─…誰か好きな人でもいるの?」





…─ギク。






「そ…それはそれ!これはこれ!!」


「え〜っ!」



「と、とにかくお願いね!」


「ちょっと初純〜っ」



私は杏理をほっぽりだして、屋上から飛び出した。