展示場の奥までやってくると、先生はひときわ人がたくさん集まっている所を指さした。



「あそこに飾ってあるんだ」


俺と先生がその絵の目の前まで来ると、ものすごく迫力のある、まるで絵の中の人が動き出すような絵が、そこにはあった。



「…すごいですね─…」


「この作者は、高校一年の時にフランスに一年間絵の勉強のために留学したんだ」


「へ─…」


どうりでこんなにうまいわけだ。



「先生、なんて名前の人が書いたんですか…?」











「…─宮下陽平。神崎君たちと同じ歳だよ」