「ひゃっ……!」 掴んでいた翠央の腕を引き寄せて抱きしめた。 突然のことでビックリしたのか、翠央は俺の腕の中でジタバタともがく。 ごめんな、翠央。 俺も離すわけにはいかねぇんだ…。 翠央の甘い香りに包まれながらも、心は落ち着くことなくドクドクと大きな音を刻む。 そんな俺の行動を見ていた相沢先輩は、止まっていた足を再び動かし始める。 視線は真っ直ぐに俺の目だけを見ながら。