その音に視線を上げると、驚いた表情で俺を見ている翠央がいた。 まぁ…予想通りの反応だけど。 「結構、早かったじゃん。」 本当は、待ってる時間が凄く長く感じたし、翠央が体調悪くなって、どこかで倒れたんじゃないかって、不安だった。 だけど、翠央にそんな俺の気持ちを悟られないように微笑みながら、そう言ったんだ……。 翠央に、一緒に帰ろうと思って待っていたことを告げると、“私を待ってたの?”とでも言いたげに更に驚く。 翠央以外の誰を俺が待つんだよ…。