翠央とベッドに入ってから暫く経った。
雷は鳴り止まないまま、ついには雨が降り出してくる始末…。
かなり強い雨なのか、部屋の中にいても大きな雨音が聞こえてくる。
「もし、眠かったら…遠慮なく寝ていいからな?あ、ライト…消そうか?」
俺が、ベッド脇にある小さなスタンドライトに手を伸ばすと、翠央はギュッと強めにバスローブを握りしめた。
「あっ…!消さないで欲しいです…。真っ暗になると、雷の光が余計に怖くなっちゃうので……。そ、それに……」
「それに……何?」
穏やかに微笑みかけると、翠央は恥ずかしそうにしながら俺を見つめた。
「た…匠先輩の顔がハッキリと見えなくなっちゃいますから……。」


