「翠央!大丈夫か!?」 急いで翠央のもとに駆け寄ると、ゆっくりと顔を上げた。 「匠せんぱい……。あの…雷が鳴り出して……きゃっ!!」 話している途中で大きな雷が鳴り、翠央はビクッと体を震わせながら俺に抱きついてきた。 「ご、ごめんなさい…。雷は…どうしてもダメなんです……。」 俺のバスローブをギュッと握りしめている翠央の手が小刻みに震えているのが分かった。 そんな彼女の背中に、俺は、そっと手を回すと優しく抱き締めた。 “もう大丈夫” そう何度も耳元で囁きながら…。