「これ食べて、少し休めよ。いくらアルバイト中とはいえ、翠央に無理させたくねぇから。」
スプーンを手渡すと、翠央は“ありがとうございます”と言ってシャーベットアイスを食べてくれた。
「冷たくて美味しいです…。あ、あの…匠先輩はアイス食べないんですか?」
半分ほど食べたところで、翠央は首を少し傾げながら俺を見つめた。
そういえば、翠央に食べさせたい…と思って持って来たから、自分の分なんて考えてなかったな…。
それに……
「俺は…お前の唇もらうから…それで十分だよ…。」
翠央の手からシャーベットアイスのカップを取って、テーブルに置いた俺は…
ためらうことなく、翠央の唇を塞いだ。


