「ありがとな、匠…。これ…大切に使わせてもらう…。」 パスケースを小さく揺らした。 「それと…翠央も渡したいものがあるらしいから…」 匠はチラッと翠央ちゃんに視線を送った。 ま…マジで!? ビックリしていると、翠央ちゃんが立ち上がって俺の目の前に立った。 「これ…タオルハンカチです…。私も使ってもらえそうなものを…って思ったんですけど…、すみません…大したものじゃなくて…」 翠央ちゃんが差し出したグレーのチェック柄の箱を、そっと受け取った。