息をきらしながら俺の傍まで走って来たのは、翠央ちゃんだ。 「どど…、どうしたの!?」 まさか今日、翠央ちゃんに会えるなんて思ってもみなかった俺は、驚きが声にまで出てしまった。 会うのは、卒業式の日が最後だとばっかり思ってたからな…。 「た…匠先輩から聞いたんです…。留羽先輩、今日の飛行機で行っちゃう…って…。だから私、もう一度先輩に会いたくなって…」 「翠央ちゃん……」 ヤバイ… そんなこと言われたら、俺…抱きしめたくなる…。 ハァハァと荒く呼吸をしている翠央ちゃんに手を伸ばした。