「おい、留羽。お前…ボケッとしてると、次の授業に遅れるぞ。」


匠に言われて、俺は慌ててテキストを抱えて立ち上がった。


そうだ、次は移動教室だっけ…。


翠央ちゃんのこと考えてばかりいたら、スッカリ忘れてた…。


「ったく、世話の焼けるヤツだな。」


フッと笑った匠は、俺と一緒に教室を出た。