「気になるのか?ニックのこと」
「マスター」
「」
「ニックは昔、」
「荒れていてなぁ。手の付けようがなかった」
「そこにライトが現れたんだ。」
「」
「」
「」
「」
「」
「ったくだから来たくなかったんだよ」
ニックは照れたようだった。
―――…
「チッ…なんでこんなときにかぎって…」
「逃げろ!」
「うそ…はぐれちゃった…」
どうしよう…
「きゃ!」
「ボケッとつたってんなよ!!」
よそ見をしながら歩いていたため、真正面からぶつかってしまった。
どうやら持っていたお酒がぶつかった衝撃で服にかかってしまったようだ。
「ご、ごめんなさい」
「ん?なんでこんなところに女が…」
その言葉にボウシが脱げていたことに気付いた。
幸いにもウイッグがとれなかったのはよかったのだが…
「しかもけっこうかわいいじゃん」
下品に笑う
「ちょっとこっちに来てもらおうか」
「やっ…!!」
抵抗するも、力の差は歴然で裏路地へと連れてこられた。
「へへ…怖くないから大丈夫だよ、お嬢ちゃん」
「やだ!やめてっ…」
「おい。何してるんだ」
「誰だてめぇ」
「口の利き方に気を付けろ」


