彼女ノ写真

恐らく成人男性の手首の骨を、完全に折ったのかどうかは解らないけれども、美術部に所属する、見た目普通の女子高生が、握り折るなんて誰が想像すると言うのだろう。




いくらサイオンジ先輩だって、そんな芸当が出来るなんて、予測もしなかった。




まぁマキ先輩ですら、予測の範囲外の出来事だったらしく、すぐさま、サイオンジ先輩の手を引いて、その場を猛ダッシュで離れたとの事だった。




本当に、聞けば聞くほど、サイオンジ先輩の身体能力は、高校生離れ───いや、人間離れしている。




そして、マキ先輩をちょっとでも困らせる輩には、思わず全力を解放してしまうくらい、本当にマキ先輩の事が大好きなのだ。