そうですか───と、簡単な言葉を打ち込み返信しようとした所、僕の腹積もりとは相反して、彼女からのメールがまた届いた。




<ちょっと、エークン。私は今ヒマなの。何か面白い話ない?君の悩み相談でもいいわよ?例えば、エッチな本がお母さんに見付かりそうなんです───とか。>




エスパーかっ!




って言うか、シキちゃんがヒマだとぉ?そんな事をこの子が言うとは───。




いつもの僕なら、そう、いつもの様にヒマを持て余した僕ならば、別に信じてはいない神様に感謝の意を捧げ、何なら電話でも掛け、彼女との語らいの時間をまったりとキョウジュするところなのだろうけど、今はそんな余裕がない!




苦渋の決断、断腸の思い───ごめん、いま取り込んでるんだと、打ち込んで送信を押す。それに対して、彼女からの返信は来なかった。




恐らく、気を使ってくれたのだろう。