「私だって、シキちゃんが友達になってくれて、すごく嬉しいんだよ。あとね、エークンがシキちゃんの彼氏で良かったと思うわ。今更だけどね」



「───え?あ、あ――ありがとう!」




エークンは、本当に嬉しそうな笑顔を浮かべて、そう言った。




同時に、恐らくやり忘れたのであろう英語の課題の事を思い出した様で、かなり慌てて、この場を後にした。




後ろで守護するおばあちゃんが、去り際、私に向かって軽くお辞儀をしてくれた。でもやはり、これまで何度も話した仲なのに、声を聞く事はなかった。




エークンのおばあちゃんは、その頑なな態度で、彼が本当に困っている事を告げていた。




本当に困っているけど、私には話せない事で困っている事を。




それはきっと、シキちゃんにも話せない事なのだろうと、察しがついた。




「うーん、、、困った」




私は、ハル姉のお弁当を片手に、シキちゃんへメールを送った。