「そうだったね――忘れてた」
「───?───何?何か深刻そうなんだけど」
「いや、そんな深刻って事でもないんだ。ちょっと落し物をしちゃってさ。それが見付からないだけだよ。遺失物、昨日も見たけど、念の為に、今日も見に来たんだ」
「───あ───そっか───見付かるといいね」
普通なら、さすがの私でも探そうか?と一声掛けるのだろうけれども、言えなかった。
それは、彼の探してるだろう物と、私の思い当たる事が隙間無く、ぴったりと結び付いたからだった。
ただ、目の前にいるこの純朴な彼は、私のそんな思いなど知る由も無く、子犬の様な返事を返した。
「───?───何?何か深刻そうなんだけど」
「いや、そんな深刻って事でもないんだ。ちょっと落し物をしちゃってさ。それが見付からないだけだよ。遺失物、昨日も見たけど、念の為に、今日も見に来たんだ」
「───あ───そっか───見付かるといいね」
普通なら、さすがの私でも探そうか?と一声掛けるのだろうけれども、言えなかった。
それは、彼の探してるだろう物と、私の思い当たる事が隙間無く、ぴったりと結び付いたからだった。
ただ、目の前にいるこの純朴な彼は、私のそんな思いなど知る由も無く、子犬の様な返事を返した。
