彼女ノ写真

彼女は美術教師である前に芸術家だから、創作活動以外の事に気を配らなくても良い環境と言うのは、凄くありがたいのだろう。料理とか、苦手そうだし───いや、そんな事は無いか。




そう言えばいつだったか、ハル姉が突然───みんな聞いて!先生はお鍋が食べたくなりました!!───って言い出したから、美術部のみんなで材料を買い出しに行って、美術室で調理して食べた事があった。




あの時初めて知った事だけど、ハル姉の包丁捌きは、意外なほど上手かったんだった。




長い付き合いだけど、知らなかったのよね。




前に───料理は気分転換で結構やってるんだよ?───って言ってたけど、あれはどうやら本当の事みたいだ。




うーん、ハル姉~侮れないわ。




───なんて、割とどーでもいー事を思い出したり、考えたりして歩いていたら、職員室の前を通り過ぎた事に気付き、キビスを返す。