彼女ノ写真

もちろん、私のヌードを悪戯に描かせる事ぐらいで、それが食べられなくなんて事は、少し時間が経った今は、思っていないだろう。




彼女もまた、私のお母さんの性格を理解している。




ただ、認めないと言葉を発したその時は、純粋な想いしかなかったハズだ。




彼女の頭の中では純粋に自分本位な天秤があり、それが瞬時に、カニクリームコロッケ側に傾いただけだ。




彼女は、その天秤が傾く時に、無駄な事を考えたりはしない。まさに一瞬の判断で、カニクリームコロッケを選択した。




そして、理由を後に付けた。もしかしたら、食べられなくなるかもしれないじゃないか?と。




後付の理由に支えられた、純粋な想いと言う、何とも矛盾を感じる思考。




言い方を変えれば、暴力的なほどのワガママだ。




だけど私にとって、ハル姉と言う人間は、そんなワガママも愛しく感じてしまえる存在なのだろうと、改めて自覚した。




ま、いっか。その一言で、大抵許せてしまえる。




何故なら、この人は、例え何が起ころうと、私の敵にはならない事を知っているから。