彼女ノ写真

この人は、私達を騙そうとしている。引っ掛けて楽しもうとしている。私をのけ者にして、あんな面白そうな絵を描いちゃってー!!と言う、きっとそんな理由からのイタズラをしようとしている。




先輩達の予測は当たっている。だって、ハル姉なのだ。




どんな役職に合っても、自分に素直なのだ。自分に正直なのだ。とにかく楽しく過ごしたいのだ。それが彼女なのだ。




でもきっと、もう少ししたら困り出す。




何処でどう折り返して、登場からここまでの件が演技だったのかって、バラすタイミングを見失うだろうから。それも彼女なのだ。




ハル姉の困り顔は、あまり見慣れていないから、見ていたくもあるけれども、やっぱり私は、この人にはどんな時も、私の隣で、私の目線で、変わらずに笑っていて欲しいから、助け舟を出す事にした。




助け舟にしては、まるでご褒美の様に、ただただ喜ばせる内容なんだけど。