彼女ノ写真

「サクラー!あんた、なんて事してんのよぉ!」




あ、やっぱりその事なのね。




「いや、あのね、ハル姉。あれはね、違うのよ。先輩達のね、、、」

「おばさんに、何て言ったらいいの?!」




私の言葉を遮ってまで発したその言葉は意外な一言に思え、私は戸惑いながら、事実関係を組み立てる。




「えーと、お母さ───あれ?え?いや、だからね、ハル姉聞い───」

「いーえ!言わせてもらいます!」



「あのね、ハル先生、違うのよ~あの絵はね、私達が────」

「マキちゃんとサイオンジちゃんには、あとで話があります。ちょっと待っていなさい」



「え、、、はい、、、」




それは予定外の反応だったのだろう。




ただでさえ、ハル姉があの絵に対して、こう言った反応をする事が予定外だったのだ。あのマキ先輩ですら、焦っている様に見えた。




でも私は見逃さなかった。先輩達へのお説教を臭わせる発言をした時、ほんの少しだけれども、ハル姉は笑ったのだ。




それは右のホオが、僅かに緩んだ程度の物だ。




たったそんな程度の事だけれども、私とハル姉の仲だ。この人の表情は出会った時から、ずっと見てきていた私だから分かる。