彼女ノ写真

「百五十三枚っ！！！あんた、それ全部、撮った場所まで記憶してんの？！」



「はい、もちろんじゃないですか～」




そう言った彼の表情は、何処か誇らしげで、嬉しそうだった。同時に、先輩は何でそんな事で驚いているんだろうと言った、不思議そうな顔もしていた。




「まー、まー、あんたならそれも分かるわ。納得よ」



「納得って、そんな」




エークンは、先ほど浮かべた不思議そうな顔に新しい不思議を上書きする、そんな実に彼らしい表情を浮かべ、頭を掻いてみせる。その時だった。




私達の背後から、駆け足で忍び寄る圧力を感じた。




ハル姉がやってきたのだ。




その性格似合わない、素早い動きで圧力を感じてから僅か２秒後には、表情まで読み取れる距離に近付いていた。




妙に必死で、私と目線が合った事を自覚したのか、第一声を上げる。