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私達がシキちゃんの後を追って、写真の場所に辿り着くと、彼女が文字通りの号泣をしていた。




その、わんわんと泣くその新鮮な姿に、私はとても温かく優しい気持ちが、心のあちらこちらから、湧き上がって来る気がした。涙の一粒々々が、彼女の喜びを固形化し、溢れ出てしまった様に思えたからなのだろう。




先輩たちを見ると、両手の平を握り、今にもエークンに殴りかかろうかどうしようかと、判断しているだろう表情を浮かべていた。それはそうだ、大事な後輩を泣かせたんだから。




でも徐々に、二人ともホオを緩ませ、握っていた手の平をふっと解く。




そしてこれが、最終判決だと言わんばかりの微笑みを浮かべ、マキ先輩は、エークンからシキちゃんに宛てた、メッセージ入りの写真をポケットに仕舞いこんだ。