そして、最終ページだろうそれを開くと、彼女はページの端をつまんだまま、動きを止めた。




───バサっ!!!!───




その音と共に、シキちゃんはサイオンジ先輩の手を振り切り、内履きのまま外へ飛び出した。




「あ、シ───」




マキ先輩が言い掛けた言葉を飲み込む。




サイオンジ先輩が、シキちゃんが落としたアルバムを拾い上げた時、その答えが分かった。




シキちゃんへ、エークンから贈られたアルバムの最終ページには、一枚の風景写真とたった一文、メッセージが添えられていた。