彼女ノ写真

驚いたとか、恥ずかしいとか、怒っているとか、そういう感情ではなく、ただただ考える事を放棄するほど、捕らわれていた。圧倒されていた。




魅了───されてしまった。




そこには、一糸纏わぬ私の姿が二枚。どちらも、それぞれの感覚で私を見抜いていた。




いろんな意味で、私は見抜かれていた。




ポージングや描かれ方には、少し冷静さを取り戻すと、突っ込みどころが満載だったのだけれども、それらを差し引いても、この二枚の絵には、私の心を捕らえて離さない力を持っていた。




「先輩───」



「「は、はい!なんでしょうか?!」」



「私───先輩たちの絵、大好きです」




そう微笑みながら振り向くと、先輩たちが照れていた。




あまりの意外な光景に、思わず噴き出しそうになる。ホント、可愛い人たちだ。